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つかえるUI の つくり方 -ユーザーの練度編-

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 この記事は Fablic Advent Calendar 2015 / UI Design Advent Calendar 2015 の14日目のエントリです。
 
今回は、アプリのUIを設計するときに気をつけたい "ユーザーの練度" についてお話をしたいと思います。今回は iOSアプリ を例としてお話しを進めていきます。
 
 
改めまして、こんにちは。Fablic の UIデザイナー、 @wariemon です。
この記事を読んでくださってありがとうございます!
 
 
まず、"練度" とは?
 
ユーザーは、ぼくたちが作るアプリを触れるまでに、いろんなアプリを使用してきていて、操作に対して知識を持っています。
この 操作(UI)に対する知識 を 今回 “練度” という呼び方をして、キーワードとさせていただいています。
 
 
UIの設計というのは、見た目を整えることがゴールではなく つかえる ことが当然ながら、重要です。
そして、ユーザーの練度 の観点を入れることで、より つかえる ものに仕上げるスピードが上がると考えています。
今回は、ユーザーの練度の観点で、注意したい3点をお話ししたいと思います。
 
  1. (ユーザーが)つかわざるを得ないもの
  2. (ユーザーが)つかえるもの
  3. (ユーザーが)見慣れているもの
 
この3点に関して簡単に説明していこうと思います。
  
 
1. つかわざるを得ないもの 
 
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iPhone内にはそのルールに則っとった純正アプリが入っています。そして、その中には 使用回数が多い / 避けては通れない アプリが存在します。
 
例えば AppStore アプリ。 まず使いこなさないと(少なくとも他のアプリをインストールするまで)、iOSの他のアプリに触れることもできません。
そして AppStore のアプリ内にも TabBar や Segmented Control など複数のUIパーツが含まれています。
 
つまり、iOSの標準UIの中に "つかわざるを得ないもの" が存在するということです。
そして、そのUIに対してユーザーは多少とも 練度 を持っています。
 
ユーザーはUIを意識して勉強するわけではなく、体験を通じて記憶していきます。

 

ここでは、ガイドラインを完全に読んで理解することと同じくらい、1ユーザーとしてApple純正のアプリを触れることをオススメしようと思います。
標準のUIの中にも、使いにくい / あまり見慣れないUI も存在します。
ここは触る / ここは触らない などの実体験を改めてすることで、ユーザーの練度を理解することができるのではないかと思います。
 
 
2. つかえるもの 
 
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ここからは、具体的に自分のアプリのユーザーを想定しながら考えていきましょう。
純正アプリだけではなく、ユーザーはそこから数々のアプリをインストールして、各々のしたいこと、楽しみたいことを達成しています。
 
当然、その中には “よく使う、よく見るアプリ" が存します。
そして、そのアプリのメイン機能や、補佐機能の幾つかに対してユーザーは 練度 を持っています。
 
今回では、多くの人が触れるであろうアプリ “LINE” を参考として使用させていただきます。
 
例えば、新規登録の一部分だけでも、
SMS認証 or Facebook認証
が必要なことがわかります。
ということはユーザーはこの操作は一度は体験していることになります。
また、Facebook認証をしている場合は、Facebookも使っていることが想像できます。
 
こういう細かい操作一つ一つとっても、「ユーザーにどういうログイン方法を促したら良いか」などを考える一つの指標になります。
 
また当然ながら、 メッセージを送る部分のメッセージ入力UIや、新着メッセージのときが来たときの表現などに対しても練度があると考えられます。
 
「どういうアプリを使うユーザーなのか」を明確にできれば どのような操作に対して練度を持っているのかを理解できます。
 
 
3. 見慣れているもの
 
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もう一つ重要なのは、とあるアプリのヘビーユーザーであることが想定される場合は、"見慣れているもの” を意識することも大事です。
 
たとえばタブの配置。他にメッセージツールを使っている可能性が考えられる時は、その比較も大事です。
そっくりにすることは決して正解ではありませんが、似ている項目を無意味に順番をぐちゃぐちゃにするとユーザーはそれだけで簡単に混乱してしまいます。
 
バッジやアイコンなど、ユーザーに注意喚起や説明を促す表現も重要です。
 
よく使うと想定されるアプリは、ユーザーも私たちもよく口にする「普通は〜」にあたる基準になる可能性が非常に高いのです。
なので、そこでの表現や振る舞いを参考にした上で、よりよい表現に置き換えたりすると違和感もなく、使いやすくなるかもしれません。
 
 
まとめ
 
新しい表現 / 新しく設計を考えることは非常に楽しいことです。
そこで、下地の "つかえるUI" を確実につくる上で、ユーザーの 練度 という観点は非常に強い武器になるのではないかと思いますので、ぜひご活用いただければと思います!
 
この話が、皆さんの少しでも糧になれば幸いです!
 
 
次の Fablic Advent Calendar 2015@takejune さんの 「デザイナーを50人集めてもうやんカレーを召喚した話」です!弊社でカレーを食べる会を開催した時の話ですね!後日、ぼくもこの時の話を掲載させていただきます。
 
そして、次のUI Design Advent Calendar 2015 は Kawabata Izumi さんの「Sketchなどいろいろについて」です!Sketch非常に重宝しているのですごく楽しみです!
 
それではありがとうございました!